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2つのケース
マイホームを売却し、譲渡損失が生じたという前提で、特例を
使えるケースとしては次の2つがあります。
(1)マイホームを売却して、譲渡損失が生じており、新たにマイホームを取得した
(2)マイホームを売却して、譲渡損失が生じている
(1)はマイホームを売って、買ってというケース、
(2)はマイホームの売却をしたケース、となります。
共通の要件
上で見た2つのケースで共通の主な要件は次の通りです。
・現在主として住んでいる自宅などのマイホームを売却した
・譲渡する年の1月1日において、所有期間が5年超である
・譲渡する年の前年、前々年に、マイホームを売却した場合の各種特例の適用を受けていない
なお、現時点では、平成27年12月31日までに譲渡したマイホームについての適用となります。
マイホームを売却して、譲渡損失が生じている
上記の(2)については、売却したマイホームについて、譲渡契約を締結した日の前日において、一定の住宅ローン残高があることが要件となります。
簡単に説明すると、
・住宅ローンが残っているマイホームを売却した
・残っている住宅ローン残高より低い金額でしか売れなかった
・譲渡損失が生じた
というケースで、いわゆるオーバーローンでの売却のため、実務上はあまり多くありません。
マイホームを売却して、譲渡損失が生じており、新たにマイホームを取得した
このケースは、簡単に見てみると次のようになります。
・マイホームを売却した
・譲渡損失が生じた
・新たなマイホームを、一定の期間内に取得し住んだ
・新たなマイホームを一定の住宅ローンを組んで取得した
・新たなマイホームを取得した年等の年末に、一定の住宅ローン残高がある
などとなります。
「マイホームの買換えをして譲渡損失があった場合に特例がある」ということは、ご存じの方が多いですが、
「新たなマイホームを一定の住宅ローンを組んで取得した」
「新たなマイホームを取得した年等の年末に、一定の住宅ローン残高がある」、
この2つを見逃してしまうと大変なことになります。
事前のプランニングが必要
富裕層の方、資金に余裕がある方などは、新たなマイホームをキャッシュで十分取得できるため、住宅ローンを組む必要がない方がいますが、キャッシュで取得した場合には、要件に該当しないため、特例が適用できないことになります。
ポイントは、「住宅ローンの残高の額に要件はない」ことです。
そこで、少額の住宅ローンを組んで新たなマイホームを取得ことによって、特例の適用が可能となります。(住宅ローン残高の額に要件はありませんが、一定の要件を満たす住宅ローンであることが必要。)
売却のタイミング
一般的に、定年退職をした後は、給与が下がるため、譲渡損失と通算できる所得自体が少なくなります。通算できる所得自体が少なければ、還付、軽減できる税金も少なくなります。
退職金が支給される年や、定年退職前など、所得が多い年に売却を行うことで、特例を有効に活用できるため、売却のタイミングがポイントになります。
その他、マイホームの定義など、特例の適用には注意が必要となるため、事前の確認が必要となります。
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