相続税の申告に対する税理士報酬(費用)については、多くの事務所が次のようにいずれかの方法で定めています。
- 遺産総額にパーセンテージをかける方法
- 遺産総額に応じた基本報酬金額と加算報酬金額の合計で求める方法
それぞれどのように相続税の申告報酬が計算され、どちらが費用が少なくなるのか、具体的な相続の事例に基づいて実際にみてみました。
Contents
遺産総額にパーセンテージをかける方法
遺産総額にパーセンテージ(例 1%)をかけて相続税の申告報酬を計算する方法です。
遺産総額
一般的に、土地や建物などプラスの財産の合計額を指します。小規模宅地等の特例や生命保険金の非課税などの税務上の特例は適用する前で計算することが多く見られます。
パーセンテージ
おおむね1%程度が多く見受けられます。
遺産総額に応じた基本報酬金額と加算報酬金額の合計で求める方法
基本報酬
遺産総額(先ほどと同様の計算が多い。)の金額について、1億円以下であれば 45万円、など遺産総額が多いほど基本報酬も多くなるような設定が多いようです。
加算報酬
土地の評価について「1利用区分につき 5万円」や、相続人の数に応じて、「基本報酬額 × 10% ×(相続人の数-1)」などが見受けられます。そのほかにも、細かく財産ごとに金額を定めている場合もあります。
【検証】どちらが分かりやすいか?
それぞれの相続税の申告報酬について、一般の納税者であるお客様の視点からみると、どちらが分かりやすいでしょうか?色々な意見があると思いますが、分かりやすいのは、「遺産総額にパーセンテージをかける方法」ではないでしょうか。
例えば、土地の評価には、評価が簡単で知恵を使う必要のない土地もあれば、複数の方法を検討し慎重な判断を要する土地もあります。土地について一律○万円加算というのは、土地によっては高コストになる可能性があります。
【検証】実際の相続事例で計算
検証の前提となる実際の相続事例は次のとおりです。この相続事例に基づいて、それぞれの相続税の申告報酬を計算してみます。
<具体例>
- 相続人 3人
- 遺産相続 5,700万円
- 土地 利用区分は3つ
※上記については、過去の相続事例を参考にしており、金額についても若干の修正を加えています。
遺産総額にパーセンテージ
遺産総額 5,700万円 × 1% = 57万円
遺産総額に応じた基本報酬金額と加算報酬金額の合計で求める方法
- 遺産総額 5,700万円 → 35万円
- 土地 5万円 × 3 = 15万円
- 35万円 × 10% ×( 3 - 1 )= 7万円
- 合計 57万円
検証結果
結果を見てみるとどちらも同じ金額となりました。遺産総額の段階に応じた設定金額は統一されているわけではなく、事務所によって異なるます。また、土地の数や相続人の数によっても違ってきます。ただし、どちらにしても同じような金額になることが多いと思います。
【結論】お客様にとってはどちらが良いのか
おおよそ同じ金額になるのであれば、分かりやすさの観点から「遺産総額にパーセンテージをかける方法」の方が、お客様の視点に立った相続税の申告報酬設定と言うことができるかもしれません。
なお、大橋相続税理士事務所は、「遺産総額にパーセンテージをかける方法」により相続税の申告報酬を定めさせていただいております。(平成27年8月22日現在)
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