贈与税額控除（暦年課税贈与税）
相続や遺贈によって財産を取得した人に、被相続人から相続の開始前3年以内に贈与によって取得した財産があるときは、贈与を受けた財産のその贈与時の価額を、贈与を受けた人の相続税の課税価格に加算します。これを生前贈与加算といいます。
この規定の結果、生前の贈与に対する贈与税と相続税が重複し二重課税となってしまうため、生前贈与加算が行われた人については、生前贈与を受けた際に支払った贈与税を、その人の相続税から控除し、二重課税の調整をすることができます。
相続税から控除できる贈与税の計算
贈与税額控除額＝Ａ×Ｂ／Ｃ
Ａ・・・贈与を受けた年に支払った贈与税額
Ｂ・・・相続税の課税価格に加算された贈与財産の価額
Ｃ・・・贈与を受けた年の贈与財産の合計額
＜具体例＞
- 平成26年に父に相続が発生
- 平成25年に、子は父から200万円、母から100万円の現金の贈与を受けた
- 子は平成25年分の贈与税について、贈与税の申告を行い、贈与税19万を納税した
- ※贈与税・・・（200万円+100万円―110万円）×10％＝19万円
＜控除できる贈与税＞
19万円×200万円／300万円＝126,666円
注意点
- 控除しようとする贈与税額が、その人の相続税額を超える場合には、その超えた分の贈与税は還付されない
- 加算税や延滞税の額は控除することはできない
