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相続税の納税義務者

相続税の納税義務者は、次のいずれかに該当する人とされています。現行法の納税義務者と課税財産の範囲の規定は、相続税法の改正により、非常に細かく複雑となっています。これは、海外で出産し外国籍を取得した孫などに財産を贈与するなどの租税回避行為を防止する目的であります。

1 無制限納税義務者となる人

(1) 居住無制限納税義務者
 相続又は遺贈により財産を取得した個人でその財産を取得した時において日本国内に住所を有するもの。

解説:相続や遺贈によって財産を取得した時に、日本に住んでいる相続人や受遺者が該当します。

(2) 非居住無制限納税義務者
 次のイ又はロのいずれかに該当する者
イ 相続又は遺贈により財産を取得した日本国籍を有する個人でその財産を取得した時において日本国内に住所を有していないもの(その個人又はその相続若しくは遺贈に係る被相続人(遺贈をした人を含みます。)がその相続又は遺贈に係る相続の開始前5年以内のいずれかの時において日本国内に住所を有していたことがある場合に限ります。)。
 なお、平成27年7月1日以降に「国外転出時課税の納税猶予の特例(※)」の適用を受けていたときは、被相続人が死亡前5年を超えて日本国内に住所を有したことがなかったとしても、これに含まれる場合があります。

解説:財産を取得した人(日本国籍)が日本に居住していない場合で、被相続人等が死亡前5年以内に、日本国内に住所を有していた場合を規定しています。

ロ 相続又は遺贈により財産を取得した日本国籍を有しない個人でその財産を取得した時において日本国内に住所を有していないもの(その相続若しくは遺贈に係る被相続人(遺贈をした人を含みます。)がその相続又は遺贈に係る相続の開始の時において日本国内に住所を有していた場合に限ります。)。

解説:財産を取得した人(日本国籍なし)が日本に居住していない場合で、被相続人等が相続開始時に、日本国内に住所を有していた場合を規定しています。

2 制限納税義務者となる人

 相続又は遺贈により日本国内にある財産を取得した個人でその財産を取得した時において日本国内に住所を有していないもの(非居住無制限納税義務者に該当する人を除きます。)。

解説:日本国内にある財産を取得した人が日本に居住していない場合で、被相続人等が相続開始時に、日本国内に住所を有していない場合が該当します。

3 特定納税義務者となる人

 贈与により相続時精算課税の適用を受ける財産を取得した個人(上記無制限納税義務者及び制限納税義務者に該当する人を除きます。)。

解説:生前に相続時精算課税制度の特例の適用を受けていた人で相続又は遺贈により財産を取得しなかった人が該当します。

 

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