時価による評価を行う
相続税法では財産の評価額について、「財産を取得したときの時価による」と規定されています。
しかし、評価の画一性、迅速性、簡便性を考慮して、財産評価基本通達によって評価することとされています。
以下で、代表的な財産の原則的な評価方法をご紹介します。
土地
土地の評価については、原則として地目が異なるごとに評価を行います。
宅地 | ①路線価方式 |
②倍率方式 | |
農地 | ①純農地・・・倍率方式 |
②中間農地・・・倍率方式 | |
③市街地周辺農地・・・宅地比準方式 | |
④市街地農地・・・宅地比準方式又は倍率方式 | |
山林 | ①純山林・・・倍率方式 |
②中間山林・・・倍率方式 | |
③宅地比準方式又は倍率方式 | |
雑種地 | ①近傍地比準価額方式 |
②倍率方式 | |
③ゴルフ場の用に供する雑種地など・・・その他の方式 |
宅地
(1)自用地の評価
路線価方式
主に市街地についての評価方法で、毎年7月上旬に公表される路線価図に基づいて評価を行います。
路線価 × 補正率・加算率 × 地積
土地の間口、奥行き、地形等で利用しにくい土地は一定の方法により評価額を下げることができます。逆に、二つの路線に面している角地など複数の路線に接道している場合などは、土地の利用価値が高くなるため評価額も高くなります。その他、都市計画法による制限などを考慮することで、評価額を下げることができます。
路線価方式による評価手順はこちら
土地評価のポイントと手順
倍率方式
郊外地で路線価が定められていない地域についての評価方法で、地域ごとに定めれている倍率表に基づいて評価を行います。
固定資産税評価額 × 倍率
(2)借地権の評価
(1)の評価額 × 借地権割合
(3)貸宅地の評価
(1)の評価額 × ( 1 - 借地権割合 )
(4)貸家建付地の評価
(1)の評価額 × ( 1 - 借地権割合 × 30% )
建物
(1)自用家屋
固定資産税評価額 × 1.0
(2)貸家
固定資産税評価額 × ( 1 - 30% )
預貯金
元金+解約利息の手取額
上場株式
次の①から④の最も少ない金額×株数
① 相続が発生した日の最終価格
② 相続が発生した月の最終価格の平均額
③ 相続が発生した月の前月の最終価格の平均額
④ 相続が発生した月の前々月の最終価格の平均額
①から④までの調べ方はこちら
相続税申告時の上場株式の具体的な評価方法
証券投資信託
解約請求金額(原則)
生命保険金
死亡保険金の受取額 ― 非課税枠( 500万円 × 法定相続人の数 )
ゴルフ会員権
取引相場 × 70%
一般動産、書画、骨董品
調達価額、売買実例価額、鑑定士等の専門家が評価した金額など